巷には高校・大学受験用、TOEIC用、英語検定用など様々な「目的」を明示した英単語・英熟語本があるかと思えば、特にそういった目的が書かれていない 英単語・熟語本もありますね。
驚くほど多くの種類の英単語・英熟語本があります。
それだけニーズが高いということでしょうね。
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さて、そんな 英単語・英熟語本を選ぶにあたって「必要な項目」について書かせて頂きます。
まずは。
英語を学ぶ際には目的を持つと効率がよく、そして「目的別」に本を選ぶことは大切です。
そして、一方で。
これらの本の内容をしっかりとチェックする必要があります。
どういうことでしょうか?
ご説明します。
英単語・英熟語本の内容には、大きく分けて【3つのパターン】があります。
図示すると、次のようになります。
概要 | メリット(使い方) | デメリット | |
熟語型 | 数語(熟語レベルの長さ)からなる英文を列記 | 余計な単語が入らず、効率が良い。 単語の発音が身につきやすい。 | 短すぎて、ヒアリングの練習にはあまり向かない。 |
短文型 | 数十語(1つの短文)からなる英文を列記 | 文章の中で無理なく覚えやすい。 ヒアリング、スピーキングにも活かしやすい。 | |
長文型 | 半ページ~1ページレベルの文章(複数の短文)からなる | 長文の中で実活用法が分かり、記憶に定着しやすい。 | 文中には余計な単語も多く、効率は悪い。 |
※これ以外にも「単語だけ掲載されており、例文がない」本もありますが、それはちょっと「覚えるのに向いていない」ため、除外しています。
それでは、これら3タイプの英単語・熟語本についてもう少し詳しく解説したいと思います。
まず、「熟語型」です。
駿台文庫の「システム英単語」のようなタイプの、「熟語のみ」もしくは「熟語+前後の数単語」程度の短い例文が掲載された本の事です。
また、「金のフレーズ」も短めな例文が多いです(少し長い例文も幾らかあります)。
これらの本は、短いがゆえに、無駄がなく「効率が良い」ことが謳い文句です。
個人的な経験では、短い文だと、文脈で覚えるといった感じではなく、何度も繰り返すことで記憶できるのかな、と感じます。
そして、熟語レベルの短い英語を聴くことは、発音の違いが分かるようになる(可能性がある)、という副次的効果があります。
私の場合、rとlの違いが、まだまだのレベルながら、少しわかるようになりました。
一方で、ヒアリング練習に使うには、1つ1つの文章がちょっと短いかな、と思います。
次は、「短文型」です。
熟語型より長い、10~20単語くらいで成り立っている文章のなかに「必須英単語・熟語」が含まれる、という構成となっています。
「DUO 3.0」や「でる順パス単」や「鉄緑会 東大英単語熟語鉄壁」辺りの本です。
とくに 「DUO 3.0」 は、1つの短文のなかに「必須英単語・熟語」を複数個含んでおり、効率的に単語・熟語を覚えることが可能です。
音声データをヒアリングしながら、かつシャドーイングを何度も繰り返しているうちに、ヒアリング練習に加えて、リーディング、スピーキングの練習にもなります。
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※〔シャドーイング〕とは?
聴こえてくる英語のすぐ後を、影(シャドー)のように追いかけて発音(=真似て声を出す)する方法です。ヒアリングとスピーキングを同時にやるようなものなので、その効果は高いです。
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そして、「長文型」です。
Z会の「速読英単語」など、半ページ~1ページくらいの英文(=長文)の中に、「必須英単語・熟語」が散りばめられているタイプの本です。
Z会は「長文の中で出会った単語こそ記憶に定着しやすい」との考え方を持って、この種の本を出版しています。
たしかに、私たちが日本語を覚えてきた経緯を振り返ってみると、「本を読む中で分からない単語に出会い、意味を調べ、その後本の中で同じ単語に出会ううちに覚えてしまった」という経験があるのではないかと思います。
ただ、必須英単語・熟語を覚えやすい反面、余計な語も沢山出てくるわけで、「ピンポイントで単語を覚える」という観点では効率が良いとはいえません。
私自身は 「速読英単語」 を、英単語・熟語を覚えることに加え、英文多読の目的で用いてみました。
恐らくZ会は、英単語・英熟語を単に覚えるだけでなく、興味深くかつ受験に出そうな英文を読む、ということもこの英単語・英熟語本で兼ねさせようとしているように思います。
良質のトピックスの、程良い難易度の長文が掲載されており、大学受験、英語原書を読もうという方にも役立ちます。
ただ、わたし自身は本書をヒアリングには用いていません・・・量が多いので。
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以上、3つのパターンについてご紹介してみました。
初めて英単語・熟語本を購入するならば、短文型の本をおすすめします。
次回、本記事でもご紹介した、おすすめの「英単語・熟語本」について、より詳しくご紹介します。
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