一方で、【国民年金のリスク】についても語ってみます。

今回は、国民年金制度に関するリスクについて書いてみます。

国民年金は、賦課方式といって、現役世代が掛けたお金をプールして、受給世代が受け取る仕組みになっています。

世代毎で年金を積立て、受取るような年金制度の方がよい、との声もあるようです。が、世代別の年金制度はうまくいったことがないようです。運用成績が芳しくない場合、世代間で格差が生まれてしまうからです。

そのような国民年金ですが、ニュースなどでしきりに「破綻する」「大幅減額する」などと言われていますね。

どんなリスクがあるのか?

書いてみたいと思います。

【少子化と高齢化】

年金制度が始まった昭和時代に比べ、急速に少子化・高齢化が進んでいます。ということは、収入が減って、支出が増えるということです。

この問題が一番深刻です。

【年金未払い】

第一号被保険者、すなわち自営業者・フリーターの方などの30%近くが掛金を支払っていない、という問題です。

ニュースでは、あたかも国民全体の30%近くの人が年金を払っていないような印象を受けますが、【第一号被保険者の30%近く】という点に留意が必要です。会社員などで構成される第二号被保険者は、ほぼ漏れなく年金を支払っています(中には、厚生年金を掛けていない会社があるようですが、少数のはずです。違反ですから)。

第一号に比べ、第二号の方が人数が多いため、年金未払いによる影響は、年金全体の収入の5%くらいになるのです。

また、年金を払っていない人は将来受け取れないわけですから、長いスパンで考えると、収支に影響はないわけです。

上述の通り、賦課方式を取っていますので、現在の収入が減り、将来の支出が減ることになるため、当座は資金繰りが悪化することは確かですけど、現在、年金機構には、150兆円、4年分の総支出にあたる額がプールされていますので、まあ何とかなるわけです。

全体の収入の5%が減るので、プールしたお金を拠出する可能性はありますが、今のところはそんなことも無いようです。

【第三号保険】

第三号保険ってご存知でしょうか。

いわゆる会社員の配偶者(無職の人)は、年金を支払わなくても、基礎老齢年金を受け取れる、という仕組みです。

厚生年金から拠出されています。

こちらは、年金財政が苦しいという話が起るごとに議題に上がりそうでも、実際に検討されたという話は聞いたことが無いように思います。

大きくはこんなところです。

さて、上記の通り、主な問題点を列記しましたが、やはり一番大きな問題は、上述の通り少子化・高齢化の問題です。

現役世代と年金受け取り世代の比率が、極端に変化していますので。

いろいろな試算があるようですが、まあ、将来的には、年金支給開始年齢がアップし、年金支給額が下がる可能性が高いと思います。

受取額について、「老後貧乏にならないためのお金の法則」という本などには、私のようなミドル世代だと、約20%減と見積もられていたりします。

私自身は、67歳受給開始、受給額は50歳以降に受け取る「ねんきん定期便」に記載される予想額の20%減くらいと見込んでいます。

少子化・高齢化がもう数十年進みますので、今の20歳代、30歳代の人は、70歳受給開始、受取額30~40%減もあり得ると思います。

確定拠出年金や個人的な投資が必須かと思いますが・・・急速にライフスタイルが変化してきていますし、ベーシック・インカムなどの話も出てきていますので、何とも言えないところですね。

今できるのは、国民の義務である国民年金を掛けること、投資について勉強し確定拠出年金や株式・債券などへの投資を始めることだと思います。

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